2019年5月29日水曜日

大正生まれの簿記机

昨年の後半に家具のお直しの持ち込みがありました。


簿記机とよばれるもので、帳簿をつけたり金銭を出し入れする場として

使われていた机です。


大正15年5月と記されていますので93年も前に作られた物です。

持ち込みいただいたお客様が簿記机を引き継ぐのが3代目だそうで

過去に何度も補修した跡があり大切に受け継がれてきた物とわかります。


蝶番は壊れ蝶番の取り付けてある木部も長年の加重で傷んでいます。

これからも使い続けられる様に傷んだところを、風合いを壊さずに

補修することになりました。


引き出しは奥行に対して浅めの作りになっているにも関わらず、引き出しを

止めるものが何もついていないので奥まで入り込んでしまいます・・・


家具内部に引き出しの止まりをつけて奥に入りすぎないように。





汚れをしっかり落とし、色を補修し、当時の塗装と近いニスで仕上げます。

優しい艶が出てとても綺麗!


蝶番を取り付ける木部を補修し、銀色だった蝶番を色なじみの良い物へ交換します。


フェルトも張り替え、また何十年とお使いいただける様にいたしました。

私たちも時代、世代を超えて引き継いでもらえる家具を作るという

想いを改めて強く意識する仕事となりました。

ありがとうございました。



2019年4月17日水曜日

ウォールナットとレザーのダイニングテーブル

新築の家の完成日時に合わせてダイニングテーブルのご依頼を受けました。

『一生使える良いものを』とデザインなどをお任せいただいたので

想像以上の物をご提案したい!と試行錯誤を重ねます。

新居の建具がウォールナットなので、ダイニングテーブルの素材は

ウォールナットをお勧めし、遊び心のあるデザインを。



木とレザーの異素材の組み合わせが面白そう!


小さなモデルを作りさらにイメージを膨らませます。

グレー部分にレザーの提案しました。


ウォールナットと同系色の赤のレザーを組み合わせて他にはない

オーダー家具が完成しました。


木とレザーが交わる細部にこだわりました。


天板のデザインを最大限生かす為に、何種類かの反り止め技法から

天板裏に飛び出さない金物で加工を施しました。


生まれたばかりの君がお爺さんになってもそばにいるから仲良くしてね。




2019年2月15日金曜日

本が沢山入るテレビ台

1つ前のブログのお客様に追加のオーダーをいただきました。

寝室用のテレビ台です。

ご自身でも色々条件の合うテレビ台を探したそうですが良いものが

無かったそうです。

お客様のご要望は、寝室のテレビ台で高さのあるベッドの上から

テレビが観やすいこと、本が沢山収納できること

埃防止で扉があること。

それ以外にもテレビが大きいので強度なども考えながらデザインを考えます。




背面のコンセントが使用できる様に家具背面に穴を開けます。


本を沢山収納できる様に前後2列の本棚です。


前側は左右にとてもスムーズにスライドします。


左右同じ作りで、真ん中上部はデッキが入り下部は引き出しです。

テレビがとても大きくて、テレビ台が小さく見えますが

W2500mm 、 H850mm 、 D400mm もあるのです!

取っ手はKAWAJUNのpc-444、pc-447をお選びいただきました。

正方形と長方形、様々な取り付け方があるので5パターンを試し

引き出しは引っ張りやすい様に長方形を横向きにと言うことになりました。






同じ取っ手でも印象が変わるので面白いですね。

ご要望を叶えるオーダー家具 ぜひご相談下さい。

ありがとうございました。

2019年2月6日水曜日

大迫力!W4500の照明付きテレビ台

今から1年以上前に、家を建てるお客様の壁面テレビ台を

製作させていただくことになりました。

建設途中のご自宅にお邪魔して設置場所の下見や打ち合わせをしました。


W≒4500  H≒2400  の大きな大きなテレビ台です。

デザイン案を20程見ていただき、デザインの好み、部屋のイメージや

他の家具、収納したい物や量も考えながら打ち合わせを重ねます。

床のサンプルも用意して家具の素材サンプルと一緒に見え方をチェックします。

同時にPCでもサンプルを製作します。


同室にあるキッチンが黒ということで色の濃いテレビ台などの印象を

確認することができます。

既製品で現物を見て購入していただくのではないため、この工程はとても重要です。

ご希望のデザイン、素材、仕様が決まりいよいよ納品日を迎えることができました。


壁紙、エコカラットが背面に貼られ、いよいよテレビ台の設置です。

大きいので分割して運び入れ、組み立てていきます。



背面が仄かに光る様に調光式の照明を設置するために住宅の電気設備の方に

同行していただき途中がら同時進行で照明の設置も行いました。



テレビ台下部の引き出しはblumのレールを採用し、少しのちからでスムーズに

閉めることができます。

こだわりの沢山詰まったテレビ台、オーダーいただきまして

ありがとうございました。

2018年1月19日金曜日

趣味に合わせて自宅リフォーム

毎年ばたばたと過ぎてゆく年末年始です・・・。

改めまして今年もdel biancoを宜しくお願いいたします。

山形家では年末年始が自宅リフォームをする時期となっていて

今回は玄関にとりかかりました。

靴箱の後ろ側の真っ白な壁。



下地を取り付けます。

下の息子も張り切ってお手伝い。


塗装したナラの突板を貼っていきます。


とても高い位置にミノウラのこんなハンガーを取り付けます。


ミノウラのフック中心から下に下がった所に2股フックを取り付けます


ゴムの両端がフックになっているゴムバンド


ロードバイクを持ち上げてフックに乗せます。

このままだとフックにぶら下がっているだけなので

ちょっと邪魔に感じます・・・。


そこで、2股フックからゴムバンドでペダルを引き寄せ固定します。


タイヤも壁に接することで動きにくくなり、圧迫感も解消されました!


上の段はTREKのクロスバイクを掛けることもあるのでマウンテンバイク用

下の段は背も低くハンドル幅も小さいのでロードバイク用の

バイクハンガーです。


バックとヘルメットもぶら下げて完了!スッキリ!


2017年11月13日月曜日

吊戸棚のリフォームとステンレストップのキッチン収納

以前新築のキッチン収納をオーダーしてくださったH様。

H様のお友達がH様宅に伺った際にキッチンがとても素敵でご自身も

ご自宅を建てられる時にオーダーしたいと嬉しいご連絡をいただきました。

システムキッチンの後ろのキッチン収納の製作と吊戸棚のアレンジです。

システムキッチンとセットで上部に付いていた吊戸棚。

システムキッチンの上だとリビングから見た時に圧迫感があり

設置したくはないけれど、システムキッチンと吊り戸棚がセットなので

どうしたものかと・・・。

システムキッチンの背後に吊り戸棚を移動してもらい、扉と棚板をリフォーム

することにしました。

素材選びは木目の少ない木材よりラスティックな雰囲気にある感じが

お好きな様でしたので、節などが混ざるナラと白太(しらた。

外の皮側に近く色の白い部分)などが混ざるウォールナットなど

数種類をご用意しお選びいただきました。

こちらはウォールナットの節、白太なし


ウォールナットの節、白太あり。同じ樹種でも印象が全く違います。


ナラの柾目


ナラの板目


ナラは同じ樹種でも丸太からの木材の切り出しの仕方で木目が違うものとなり

好き好きも分かれるところです。

ここに節を入れ込むと更に印象が変わります。

今回は節のあるナラをお選びいただきました。節も入りすぎずない

絶妙なバランスを心がけました。


システムキッチンの付属のシンプルな吊戸棚です。

扉と内部の棚板を交換すると・・・。


無垢のナラで框を組み、縦ラインの入ったフランス製のガラスをはめ込みました。


細かいことですが、ガラスで吊戸棚内部が透けて見えるので

棚板の前側にナラを加工してあります。

こうすることで扉と内部の印象が統一されます。

もしもの地震に備えてガラスの裏面には飛散防止のシートを貼り

揺れで扉を開かなくする耐震ラッチを取付けました。

吊戸棚の下には無垢材ではなく、ステンレストップの

キッチン収納をお作りしました。


ステンレスはヘアラインやバイブレーションなどからお選びいただき

ヘアライン仕上げに。




ステンレストップの角は丸すぎず、鋭角すぎず・・・ステンレスの

スタイリッシュさを最大限に活かします。




右側には底板が無くキャスター付きのダストボックス3個をスムーズに

出し入れできます。




真新しい真鍮の取っ手は使い込んでいくと味わいが増していきます。

見た目だけではなく心地よく安全にご家族と共に寄り添う家具と

なります様に。

ご注文ありがとうございました。